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蛋白尿について【腎臓専門医】が解説します

蛋白尿についての概要

健康診断で蛋白尿が陽性と指摘されたときにどのようにすればよいか、腎臓内科専門医より解説します。

蛋白尿とは、腎臓の異常で尿中に蛋白質が漏れ出る状態のことを言います。

この尿蛋白が多い状態が持続している患者さんは、将来の透析、心臓病、脳卒中のリスクが上昇することがわかっていますので、発見次第適切に対応していくことが必要になります。

蛋白尿は将来の透析、心臓病、脳卒中のリスク

健康診断ではまずは尿定性検査という簡易検査を行っています。

尿定性検査結果は、マイナスが正常で、尿中のタンパク量が増えるにつれて±、1+、2+、3+、4+という形で表示されます。1+以上は異常とされており、ガイドラインでは1+以上の方は医療機関への受診を推奨しております。

かかりつけの医療機関に受診されましたら、尿蛋白定量という検査で、実際に尿中に何gの蛋白が漏れているかの評価を行われていることが多いかと思います。

その上で、尿定性2+以上、1日に0.5g以上の尿蛋白が検出される場合には腎臓内科専門医への紹介が推奨されています。

1日の尿蛋白が0.5g未満かつ尿潜血が検出されない場合には、経過観察可能となります。

蛋白尿は腎臓専門医へ

引用:日腎会誌 2017;59(2):38‒42.

腎臓内科専門医に受診されましたら、蛋白尿が漏れてしまっている原因を調べていきます。

具体的には、高血圧や糖尿病の病気を持っていないか、腎臓病の病気を持っている血縁者がいないかを伺います。

身体診察では聴診で心臓や肺の病気がないか、むくみがないかを確認します。

検査としては、尿潜血が検出されていないか、採血で血液疾患や膠原病がないかの検査を行っていきます。こちらの特殊検査に関しては、結果が出るまでに1週間ほどお時間がかかります。

また、腎臓の形態を確認するために超音波検査を行います。この超音波検査は受診当日に行うことができます。

上記の検査の結果から、尿蛋白の原因が何であるかを推定していきます。ここまでの検査結果から尿蛋白の原因の推定を行いますが、多くの場合確定することはできません。そのため、診断を確定するために腎生検の検査をご提案させて頂く場合があります。

様々なデータから原因を推定することはできるが、原因の確定には腎生検が必要なことが多い

腎生検を行うことにより殆どの症例で尿蛋白の原因が確定できますが、腎生検を行うリスクもありますので、検査を行うメリット、デメリットをよく検討した上でご説明させていただき、実際に検査を行うかどうかは患者さんの希望に沿っていく形なります。以下に、代表的な尿蛋白の原因となる疾患を記載します。

●尿蛋白が出る主な原因疾患

糖尿病

IgA腎症

膜性腎症

微小変化型ネフローゼ症候群

その他にも原因になる疾患は珍しい病気も含め多数あります、詳しくはかかりつけの専門医にご相談してください

尿蛋白の治療

前述の通り、尿蛋白が1日に0.5g未満の場合には多くの場合経過観察で問題ありません。

0.5g以上の蛋白尿が出ている場合には、原因疾患が特定できればそれぞれの疾患の治療を行っていきます。

原因が明らかでない場合には、高血圧治療薬である「RAS阻害薬」を用いることがあります。この薬剤には、血圧を下げることの他に尿蛋白を減らす効果があります。尿蛋白が出ていると、それ自体で心臓病や脳卒中のリスクが増えてしまうというデータがありますので、こちらの薬を使用するメリットがあると判断される患者さんに関しては内服をおすすめさせて頂きます。

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